日本共産党

2002年4月3日(水)「しんぶん赤旗」

解説

外交ゆがめた「二重交渉」

全容の解明こそ必要

外務省処分


外務省をめぐる鈴木宗男衆院議員の疑惑は、日本共産党の追及で「北方四島」支援事業を食い物にしていた実態や、日ロ領土交渉をねじまげていた事実まで明らかになりました。これらに外務省が、いわば“共犯者”としてかかわっていたことは明白であり、その意味で外務省の関係者の責任を問うのは当然です。

 しかし、問題がそれで終わるわけではありません。鈴木氏と外務省とが一体となってかかわってきた数々の疑惑については、その真相をすべて明らかにし、責任の所在を明確にすることこそ求められています。

 なかでも、日ロ領土交渉をめぐる二重外交は、日本の国益にかかわる問題だけに、真相の徹底解明は不可欠です。日本共産党の志位和夫委員長が三月十九日に公表した、昨年三月五日の鈴木氏とロシア外務次官との秘密会談記録は、対ロ領土交渉で日本政府の「四島返還」という政策にさえ反する二重交渉がおこなわれ、それが現実に日本外交をゆがめたことを示す、深刻で重大な内容をはらんでいます。

 この秘密会談には、今回の処分で解任された東郷和彦オランダ大使が欧州局長として出席しています。しかし川口外相は会談の事実や東郷氏出席の事実を認めながら、「調査はしない」という態度をとっています。

 こうした日本の外交にかかわる重大問題をうやむやにしたままでは、外務省は疑惑の解明で責任を果たしたとはいえません。同時に、“共犯者”である外務省関係者の処分は、野党から議員辞職勧告がつきつけられている鈴木氏が居すわり続けていることの不当性をいっそう浮き彫りにしています。(山崎伸治記者)

 


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