日本共産党

2002年4月1日(月)「しんぶん赤旗」

リストラ反対全国交流集会

大リストラとたたかう職場から地域から

共同広げれば阻止できる


 三月三十日、東京・新宿区の日本青年館で開いた「リストラ反対、雇用と地域経済を守る全国交流集会」。全国の職場、地域で大規模リストラと立ち向かう人々の発言は、「共同を広げて運動するなら阻止できる」「感動と勇気を覚えた」と参加者に深い確信を与えました。

特別報告

労組の違いこえて

 通信労組の岩崎俊委員長は、日本で最初に純粋持株会社になったNTTが最初にしたことは相次ぐリストラだと指摘。十一万人リストラでの数々の違法・脱法行為を批判し、人権侵害のやり方に労働組合の違いをこえて共同する会が各地で生まれているとのべました。

 NTT西日本ではNTTに残ることを選択した労働者を大阪に集めて一カ月の研修を押しつけてきているとのべ、不当な広域配転を許さないと決意を表明。また、外注子会社に移ることを選択した97%の労働者の勤務場所、業務を約束通り確保せよという要求をかかげて正念場のたたかいをすすめているとのべました。

生の声満載のニュースが

 日本共産党三菱電機伊丹委員会の山本博昭委員長は、春闘で定期昇給凍結や一時金減額、時間外手当の法定水準までの引き下げなど会社の逆提案を許すと年間三十万から百三十万円の賃金カットになり、青年労働者や中間管理職から怒りが噴出していると報告。連合労組が職場の生の声を満載したニュースを発行し、職場集会が活発になり、労働者の団結が強まっているとのべ、「会社は職場の憲法である労働協約を守れ」の大運動を起こしていくと表明しました。

地域経済・金融守る

 全商連の谷野洋運動政策局次長は、地域経済と地域金融を守る活動について報告しました。

 小泉内閣が金融検査マニュアルの一律の押しつけで信金・信組など地域の金融機関をつぶす政策とのたたかいをつよめ、各地で商工会議所など立場を超えた共同が広がっていると紹介。こうした運動によって、岩手県では破たんした岩手信用組合の融資先の約九割を受け皿となる信用金庫が引き継ぐことを表明したとのべました。

ただ働き根絶へ家族も

 新日本婦人の会の高田公子副会長は、新婦人がおこなった会員やその夫、家族のサービス残業実態調査の内容を報告。「パパは、こんどいつ遊びに帰ってくるの」と子どもが聞くなど三十代の労働者が深刻な実情にあるとのべました。会長の井上美代参院議員(日本共産党)の国会質問や政府交渉で「家族の申告も労働者本人と同等の扱いにする」との答弁を引き出したと報告。職場でも「厚労省通達を知っていますよね」と声をあげるなど、会員が勇気を持って行動に立ちあがっていると発言し、犯罪行為のただ働き根絶へ運動を強めたいと訴えました。

 全国交流集会では、参加者が次々に発言、職場、地域の運動を活発に交流しました。

工場閉鎖、賃金カット

押しかえす

 全日本金属情報機器労働組合(JMIU)の三木陵一書記次長は、工場閉鎖や人権侵害の転籍強要をはね返した各地の経験を紹介。「職場の労働者の団結の力、労働基本権を最大限活用してたたかうことが大切。リストラは会社の活力を低下させ、企業の将来展望は開けない」とのべました。

 日本共産党の東武・東上委員会の代表は、全従業員の賃金一割カット、鉄道部門の八百五十人のリストラ提案がだされたが、七百億円の赤字の原因がバブル時代に買い占めた土地価格の下落など経営の失敗による損失であることを職場新聞で知らせたと報告。労働者から共感の声が寄せられ、賃金カットを押し返したと語りました。

パートの雇用保険

適用広げた

 「地域には、よりどころをもとめる声があふれている」と発言したのは北海道労連の代表です。雪印食品の早来工場のパート労働者の全員解雇、工場閉鎖にたいしていち早く抗議の行動や申し入れをおこない、パート労働者への雇用保険の適用を広げたとのべました。

 東京・大田区不況打開実行委員会の代表は、長引く不況、海外への生産移転と受注減、アジア単価のおしつけに加えて、昨年区内の二つの信組が金融庁によって破たんさせられたと報告。実行委員会として区民相談や集会などにとりくみ、管財人や政府への要請にとりくむなかで、90%を受け皿金融機関に引き継ぐことを回答させたとのべました。

過酷な労働、雇い止め…

改善したい

 各層のとりくみもひろがっています。

 新日本婦人の会埼玉県本部の代表は、「夫は毎週、月曜日に四日分の服をもって会社に行く」など夫の過酷な働かされ方について若い母親の間で討論になったと報告。労働基準監督署に赤ん坊をつれてチェックした残業時間の実態を申告し「この一石が夫の働き方、男性の働き方の改善のきっかけになれば」と、その女性が話していると紹介しました。

 「リストラでは、パート労働者が、紙切れのように切り捨てられている」とのべたのは全労連・全国一般の大木寿書記長。NEC新潟が営業譲渡されるとき、パート労働者が全員わずかな慰労金だけで雇い止めされる事態に、労働組合をつくって、NEC本社とも交渉。退職金を正社員と遜色のない平均三百五十万円ぐらい出させたと報告しました。

 NTTリストラ統一弁護団長の坂本修弁護士は、少数の活動家を差別して職場を支配するかつてのやり方から、全労働者にリストラ攻撃を広げてきたもとで、新しくたたかいをひろげる条件が生まれていると強調しました。

 全国交流集会は、新日本婦人の会、自由法曹団、日本共産党、全国商工団体連合会、全国労働組合総連合でつくる実行委員会が主催。三十一日付既報のように熊谷金道全労連副議長の問題提起発言をうけ、通信産業労働組合の岩崎俊委員長ら四人が特別報告、フロアから参加者が次つぎ発言、最後に全労連の坂内三夫事務局長、日本共産党の荒堀広国民運動委員会責任者が発言しました。全商連の市川喜一副会長が閉会あいさつしました。

2氏の発言

高まる労働運動前進の条件

坂内三夫全労連事務局長

 坂内三夫全労連事務局長は、リストラ反対と雇用を守るたたかいの先頭に立って奮闘する決意とともに、連合を含む広範な労働組合との共同の条件のひろがりについて発言しました。

 今、労働運動の新たな前進の条件が高まっていると強調。解雇や賃金の引き下げなどのなかで、これまで組合に無関心だった労働者を含め、多くの労働者が労組に関心を注ぐようになり、全労連でこの一年間に四百十一の新たな労組が結成されたことにもそれが示されているとのべました。

 坂内氏は、全労連と連合の当面する重点要求も基本路線の違いを超えて接近している現状を指摘。労働者の状態悪化と意識変化が労組間の要求の接近をもたらし、さらに要求の接近が労組間の共同の機運を高めていると強調しました。

 そして、状態悪化と要求の接近は労働者に限らず、中小業者や農民、商工業者、医療、自治体関係者など国民諸階層に大きくひろがっていることを指摘。雇用やくらし、命を守る国民総行動を展開する国民春闘の新たな動きも始まっているとのべました。

 坂内氏は最後に、全労連がさまざまな困難を乗り越え、新たな前進の条件をつくりだしていることに確信をもち、さらにナショナルセンターとしての機能をいっそう発揮し、たたかうことが求められているとのべ、その意義を強調しました。

純粋持ち株会社──
資本の論理で労働者搾りとる

荒堀広党国民運動委責任者

 日本共産党の荒堀広国民運動委員会責任者は、民間大企業が今年中に導入を計画している「純粋持ち株会社」問題について解明。かつて経団連の幹部が「純粋持ち株会社の任務はリストラだ」と発言したが、「株主主権を確立し労働者を搾り取っていく資本の論理を貫徹していく点にこの会社の本質がある」と指摘しました。リストラ攻撃の無法・不当性の特徴として(1)経営が維持できない状況ではないのに大規模なリストラをすすめるのは、最高裁判決のじゅうりん(2)リストラの手法が法律を無視(3)春闘真っ最中に一方的に労資協定を破棄して賃下げしたことは、労働組合の無視(4)株価の低下やリストラ資金を損金として計上しており、赤字論はつくられたもの―の四点をあげました。

 こんなやり方は日本の企業だけであり「利益のためには国の産業・経済がどうなってもよいという立場だ」とのべ、「これは、公共の福祉の増進を目的とするNTTや航空産業などの公共企業でのリストラのように、企業そのものの存立基盤を失わせる根本的な弱点をもったもの」と指摘。また「大規模なリストラの背景にある生産拠点の海外移転による産業空洞化政策は、日本の産業基盤に深刻な影響を与えるとともに、国際的矛盾を激化させるもの」とのべました。

 国連の社会権規約委員会が昨年、日本政府にたいし、長時間労働や中高年のリストラについて是正措置を求める二つの勧告を出していることを紹介。「日本は国際的に孤立化の道を歩んでいるといっても過言ではない」とのべました。

 荒堀氏は、リストラ反対闘争を通じて、日本の労働運動は、新しい発展方向を歩み始めたとして(1)中小企業や雇用を守る要求闘争が自治体をも巻き込んだ地域経済を守る闘争と結合し、社会的、国民的性格をもってきている。リストラ反対闘争が小泉構造改革路線と対決し、国政の転換要求と結びついてきている(2)成果主義という労働者支配のイデオロギーが破たんしつつあるもとで職場から労働運動の新しい構築が始まっていることを強調。「日本の労働運動を本格的に前進させる胎動を示すもの。リストラ反対闘争をいっそう前進させていこう」と訴えました。

 


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