日本共産党

2002年3月29日(金)「しんぶん赤旗」

千島に核廃棄物処分場

イズベスチヤ紙報道 建設計画が再浮上

ロシア


 【モスクワ27日北條伸矢】ロシアの有力紙イズベスチヤ二十七日付は、ロシア初の核廃棄物の最終処分場を千島列島の新知(しむしる)島に建設する問題について、一度行き詰まっていた計画が再浮上していると報じました。二月から推進派が誘致運動を再開し、ロシア政府や千島を管轄するサハリン州などに働きかけを強めています。

 同紙によると、計画は数年前、原子爆弾の開発で知られるクルチャトフ研究所(モスクワ)などが提案。立案には、同研究所のルミャンツェフ所長(当時、現原子力相)らが中心的役割を果たしました。一九九八年には台湾の電力会社と契約が成立。三百万ドル(約四億円)の建設資金を工面する方法まで決まり、二〇〇〇年には大統領決裁の目前までこぎ着けたといいます。しかし、地震多発地帯であることなどを理由に計画は宙に浮いたままになりました。

 今年二月、誘致促進派のシャシュリン下院議員(下院環境委員会副委員長)が計画再開を提案。台湾や日本から使用済み核燃料を受け入れ、外貨を獲得したい思惑があるとみられます。昨年、ロシア下院は外国からの使用済み核燃料の受け入れを容認する法改定を行っています。

 一方、ロシア原子力省は建設計画を否定。環境保護団体なども「ロシアが外国の核のごみ箱になる」と反発しています。

 


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