日本共産党

2002年3月29日(金)「しんぶん赤旗」

京都府知事選

腐った政治一掃の願い こぞって森川さんに

自民陣営の一枚看板「活力」は破たん

京都の良識あつめ 暮らし守る府政への転換必ず

円山音楽堂に5000人 志位委員長が訴え


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志位委員長の話を聞く円山音楽堂いっぱいの人たち=28日、京都市東山区

 国の悪政いいなりの天下り官僚知事の継続か、暮らし・仕事応援の府政への転換かを争点に大激戦を繰り広げている京都府知事選(四月七日投票)で、「府民本位の新しい民主府政をつくる会」は二十八日夜、日本共産党の志位和夫委員長を迎え、京都市東山区の円山野外音楽堂で演説会を開きました。サクラ満開の公園に隣接する会場には、家族連れをふくむ約五千人の府民が参加。通路や階段を埋めた聴衆から、「そうだ」の声援や大きな拍手が送られ、森川明候補の勝利に向けた熱気にあふれました。

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聴衆に訴える森川明候補=28日、京都市東山区

 告示いらい府内を駆け巡り大奮闘している森川候補は、社会正義の実現に奮闘してきた信条にふれ「四月七日は世直しの日。政官業の癒着に審判を下そう」とよびかけ。京都経済から活力を奪ってきた自民党府政を批判し、税金の使い方を改め、命と暮らし、仕事を応援する府政への転換を強調。残る期間最後まで全力をあげることを表明し、いっそうの支援を訴えると、聴衆は大きな拍手と歓声でこたえました。

 志位委員長は、一騎打ちの大激戦に全国の熱い注目が集まり、全国紙がいっせいに京都府知事選に注目をよせていることを指摘し、「国民みんなが腐りきった自民党政治をなんとかしてほしいと願うなかでの選挙。残る期間、京都の良識を一つにあつめ、森川知事誕生のためがんばりぬこう」と呼びかけました。

 国政では、社民党辻元前議員の秘書疑惑について、「本人も党も説明責任を果たしたとは到底いえない。議員辞職ですまさず、納得のいく説明を求めたい」とのべました。

 志位氏は同時に、自民、公明などの与党がこの問題を利用して、「はるかにけた外れで底なしに深刻」な鈴木・加藤疑惑をごまかすのは、絶対に許されないと強調しました。

 鈴木疑惑では、「北方四島」支援を食い物にしたばかりか、ロシアとの領土問題の裏交渉で、日本の主権を自分の利権のために食い物にしてきたことをきびしく告発し、「これ以上腐りきった政治はない」と批判。加藤疑惑でも、秘書が公共事業口利きで巨額の利得を得ていたうえ、加藤氏本人に九千万円が渡り、家賃などにあてていたことが報じられたとのべ、「証人喚問で真相を糾明し、二人とも議員をやめてもらおうではありませんか」と訴えました。

鈴木、加藤問題 自民党の体質

 志位氏は、「問題は、議員辞職ではすまない。二人の問題は自民党の体質、伝統そのものです。国民の税金を食い物にするのが自民党の伝統です」とのべ、この三年間で「ムネオマネー」が五十八人、「加藤マネー」が七十四人、合計百三十二人の自民・公明の国会議員に渡っていることを指摘。「鈴木議員を『さいふ』代わりにし、加藤議員のお金にむらがった政治家が、知らんぷりすることは許せる話ではない」と力説しました。

 志位氏は「鈴木・加藤疑惑は、京都の政治とも深いかかわりがある」とのべ、鈴木議員は「野中先生が白といえば、白」だとまでいい、野中氏も「いまでも鈴木さんは悪いことをしたと思っていない」「あれほどすばらしい人間はいない」と演説していることを紹介。加藤議員も、加藤派の派閥事務総長が京都出身の議員だとのべ、「この“腐敗連合”にかつがれた官僚候補に京都の未来を託すわけにはいかない。腐った政治の大掃除を、の願いをこぞって森川候補に」と訴えると、大きな拍手がわきおこりました。

蜷川府政の成果掘りくずした24年間

 府政の問題で志位氏は、荒巻自民党府政の「継承」ではなく、「転換」こそが求められていると指摘。マスコミ各紙の府知事選をめぐるルポでも、府政への批判や注文はあるが、「これが立派だ」と評価されているものは一つもないとのべました。

 志位氏は、自民党陣営は「活力京都の会」を名乗り、「活力」を一枚看板にしてきたが、それが二十四年間の自民党府政ですっかり破たんしてしまったとのべ、事業所減少率が全国最悪、失業率は全国三位、蜷川民主府政時代には一人あたり府民所得が五、六位だったのが十六位に転落したことを指摘。「『地方自治の灯台』といわれ、『暮らしを守る』という地方自治の原点にたった蜷川府政の成果をほりくずし、『活力』の名による乱開発で京都破壊をすすめ、庶民の暮らしの活力、中小企業と地場・伝統産業の活力を奪ってきたのが自民党府政ではないか。『活力の会』は『活力を奪う会』と名前を変えたらどうか」ときびしく指摘すると、大きな拍手がわきおこりました。

 志位氏は、中小企業対策では、「活力の会」は「手厚くサポート」というが、蜷川府政時代には、全国初の無担保無保証人の融資制度を創設し、府をあげての振興策をとったのに、自民党府政は限度額を引きあげなかったために融資件数、融資額ともに激減したばかりか、「三年間で一回は黒字」を条件にする新たな融資制度に変質させたことを指摘。

 このため、不況のなかで、融資を受けられたのは希望者の三分の一、融資額は目標の四分の一にしかならなかったとのべ、「『黒字が条件』などという使いづらい制度をあらため、限度額引き上げで、中小企業の命綱を復活させよう」と呼びかけました。

 福祉でも、府は市町村にたいし、国保料を払えない世帯からの保険証とりあげの要綱作成を催促する文書まで出して、保険証とりあげをすすめ、京都市ではいったん窓口で全額払いとなる資格証明書が三千世帯以上に発行されています。

 志位氏は「これは冷酷非情なやり方。政令市でも川崎、名古屋、仙台では、資格証明書は一枚も発行していない。国が医療改悪をやろうというときに、自治体が医療を守らなくてどうするか。命にかかわる制裁はただちにやめさせよう」と訴えました。

 教育の問題でも、相手陣営が「教育予算は二・三七倍に伸びている」といいだしていますが、志位氏は、「この間(一九七七年から二〇〇一年)に予算全体は三・一五倍に伸び、予算にしめる教育費の割合は、36%から25%に大きく後退した」と指摘。

 自民党府政は、三十人学級実現に背をむけつづけ、小学校入学前までの医療費無料についても、三十二の都道府県で実施されているのに、「オール与党」は請願を否決しています。「教育や子どもの医療は、子どもがおとなになるまで待てない。待ったなしの課題です。それをやろうとしない府政には、退場を願おうではありませんか」と訴えました。

「活力」看板にするが府民に語るものもたず

 志位氏はさらに、相手陣営は「活力」を看板にするが、府民に語るものをもたず、ばらばらの状態だとのべました。

 第一に、候補者選びでは野中氏の「ツルの一声」で官僚候補が押しつけられたこと、第二に、国会では「自民党の腐敗政治追及」を日本共産党と共同してやっている民主、自由、社民の各党が、橋本・野中派直系の自民党候補を推していることをとりあげました。

 志位氏は、民主党の代表が京都での演説で「いまの自民党の政官財の癒着体質では日本に明確な未来を指し示すことはできない」とのべていることについて、「京都の自民党だけはきれいだというのでしょうか。とても、府民に通る話ではありません」とのべました。

 第三に、「活力の会」が、自民党内の仲間割れで出馬したれっきとした自民党員候補と森川候補に「密約」があるなどというデマで森川攻撃をはじめたことについて、「事実無根のウソで選挙をけがすことは許すことのできないルール違反です。『民主府政の会』がひぼうの撤回を要求したが、回答はない。これはウソを認めたということです」とのべ、「ウソをついて恥じない勢力には、政治にたずさわる資格、選挙をやる資格はありません」ときびしく指摘しました。

 最後に志位氏が、森川さんには府民の共同の輪が日に日に広がっていることを紹介しつつ、「すばらしい勝利をかちとり、(投票日を)『日本の夜明けは京都から』を文字通り実現する日にしていこう」と訴えると、聴衆は大きな拍手と声援でこたえました。

 演説会では、新社会党の上野建一書記長、保育士の女性、京都府歯科保険医協会の秋山和雄副理事長、浄瑠璃寺住職の佐伯快勝氏らが、府政の転換を訴えました。

 


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