2002年3月17日(日)「しんぶん赤旗」
桜だよりが聞かれはじめた日本列島。しかし、深刻さ増す小泉不況、無秩序な大型店出店、破たんに追い込まれる信金・信組問題……、商店街には依然厳しい風が吹き付けています。その中で、各地の商店街は「負けてたまるか」と、行政や住民と力を合わせて、さまざまな活性化対策にとりくんでいます。
| 東京・墨田 |
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東京都墨田区は、全国にほとんど例のない商店街の活性化支援を三月議会に提案、話題になっています。
その内容は、(1)店舗改善を支援する専門家チームを派遣する「魅力ある個店づくり応援隊事業」の実施(2)一商店街に一ブランドを生み出す運動「ワンモール/ワントライ作戦」の推進――というもので、予算総額は六百二十五万円です。
「個店づくり応援隊事業」は、同区内の商店会会員で、特徴ある店づくりをしたいという店に、区が無料で建築・広告・カラーコーディネーター・消費者心理などの専門家チームを派遣するというもの。希望する十二店舗を募り、六月から来年一月にかけて、一つの店に三回ほど派遣します。資金計画、デザイン、売り場レイアウト、照明や経営者のコンセプトなど、総合的なアドバイスをおこないます。区では改善後の成果をとりまとめ、区内全域の商店会にPRしていく計画です。
同区では、区内の商店会共通のすみだスタンプ事業(換金と買い物ができる)にたいする助成や装飾街路灯の電気料の一部補助などをおこなってきましたが、個々の店を対象とする商店街支援事業は初めて。
墨田区地域振興部商工担当産業経済課の坂本康治課長は、「商店街をとりまく環境は厳しく、自分の代だけで閉めると言う店主も多くいます。今回の応援隊事業で、商店街の中核となれる店を育て、活性化をよびこみたい」と話します。
インターネット上で「下町人情商店街 eすみだ2000」(現在三十店加盟)の参加店の一人、パン屋とイタリア料理店「トムトム」の関口守哉会長は、「すみだスタンプ事業を実施するとき、商店会の役員として、二年勉強しました。今は信組が強制的に整理統合されて融資が受けられないなど、厳しい状況です。商店会としてまとまって何かやるというのも難しくなっている。個店が活力を持つのが基本ですよ。背中を押してあげるような施策はいい」と歓迎します。
日本共産党の西恭三郎区議は「個店に直接援助するのは、国や都ではできない、区ならではです。商店主などの意見を取り入れ、経済産業課が業者の人たちと一緒に議論してつくったもので、ここに自治の原点があります」と話しています。(地方部 尾崎吉彦記者)
【墨田区】東京・東部に位置し、十三・五平方キロメートル、人口二十二万人の住・商・工混在のまち。商店数五千二百軒余(卸および小売り、九七年)。七九年に党区議団が提案し制定された「墨田区中小企業振興基本条例」は全国的に有名。
| 岐阜・土岐 |
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美濃焼主産地の岐阜県土岐市の商店街では、「不況に負けてたまるか」と若い人を中心に、新しい意気込みをかけた動きが出始めています。
JR駅前商店街は、ひどい空き店舗状況でしたが、昨年十一月ころから空き地を利用した「青空市」(毎週土曜日)や、空き店舗を借り切った常設のコミュニティー拠点「はいって小屋」を開き、じょじょに集客を増やしつつあります。
九七年三月、日本共産党議員の提案をきっかけに「美濃焼活性化委員会条例」が可決されて以来、軌を一にして「土岐陶器まつり」「下石どえらあええ陶器まつり」「駄知(だち)どんぶりまつり」が始まりました。イベント期間中、三万から六万人の人出で、観光産業的な催しとして定着してきています。
しかし、近年の中国製陶器の輸入のあらしで、駅前商店街は惨たんたる状況です。昨年議会では、「中国逆輸入製品へのセーフガード」意見書を採択したり、異業種交流なども試みてきました。
「活性化委員会」は新たに物づくり、街づくり、人づくりに主眼をおき、産地魅力向上専門部会をたちあげ、それと共鳴する形での別組織が若手商店主が中心となり、振興組合、商工会議所、住民、行政が一体となった委員会をつくり動き出しました。
この四月からTMO(中小売商業の高度化推進)構想策定にかかり、建築廃材利用の「青空常設市」や町並み全商店参加のワゴンショップ、「はいって小屋」の利用とあわせ、夢とうるおいのある中心市街地を実現させようとしています。
行政も四種類の中心市街地活性化支援補助をはじめ、市内各地に点在・集積地を持つ「窯元」「温泉」「旧跡・文化財」「どんぶり会館」などの整備とアクセスに力を入れた予算を計上しています。 (日比野富春市議)
【土岐市】岐阜県の東南部に位置し、面積百十六平方キロメートル、人口六万四千人。焼き物の産地として千三百年余の歴史と伝統があります。
| 福岡・北九州市 |
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北九州市八幡西区の藤田銀店街で昨年十二月、同県水巻町の社会福祉法人が「黒崎松快園デイサービスセンター・和泉の里」を開設しました。
同商店街で現在営業しているのは約二十店で、約四十店が閉店・廃業しています。この福祉施設は、大型家具チェーン店出店のあおりをうけて三年前に閉店した家具店を活用しました。
デイサービスセンターの一階は、広い浴室とくつろげるようピアノといろりを配置し、二階は食堂などがあり、リハビリ機器のほかに、カラオケもあります。介護保険の認定を受けた高齢者や地域の高齢者が、看護師や医療専門学校の学生らと一日を楽しく過ごしています。
同センターの椿信之顧問は、「食材や花などを近くの市場から仕入れるなど、共存共栄をはかりたい」と語ります。
商店街ではセンターオープンを機に、新たな商店街づくりが始まっています。
藤田銀天街協同組合の篠崎征治理事長は、「『すべての人に優しい銀天街』をめざして頑張っている。福祉施設が開設されてから、『藤田おかみさんの会』のみなさんがたちあがり、店をオープンさせた。近くの黒崎市場も改装した。四月六、七日には『リーボンフェスティバル』を開く」と声を弾ませました。(福岡県 大岡真記者)
【北九州市】九州の玄関口に位置し、人口約百一万人、四百八十二平方キロメートルの政令市。
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