日本共産党

2002年3月15日(金)「しんぶん赤旗」

学費値上げやめ、無利子奨学金守ろう

260億円増額でできる

参院予算委で林議員提案


 日本共産党の林紀子議員は十四日の参院予算委員会で、国立大学の異常な学費値上げと無利子奨学金削減の問題にふれ、二百六十億円をあてれば学費値上げも無利子奨学金削減もやめることができると提案しました。

 来年度の政府予算案では、国立大学の授業料を〇三年度から二万四千円値上げして年間五十二万八百円とし、入学金とあわせた初年度納付金は八十万二千八百円にものぼります。

 林氏は、一九七〇年と二〇〇〇年の公共料金を比較すると、郵便料金は六・七倍、バス代は七・一倍なのに、国立大学の学費は約四十倍にはね上がっていることを指摘。「小泉内閣は“米百俵”の精神というが、やっていることがちがう」とただしました。

 奨学金について、政府は「来年度予算案で四万五千人分増やした」と宣伝しています。しかし、無利子奨学金は一万六千人も削減、逆に有利子奨学金が六万一千人増えています。このため無利子奨学金が約四十万六千人、有利子奨学金が約三十九万二千人とほぼ同数に。有利子奨学金の割合は増える一方です。

 林氏は、有利子奨学金の場合、返済額は最大で大学卒が五百十六万円、大学院卒が千三百五十二万円にもなることを指摘。八四年に有利子奨学金が導入されたとき、当時の森喜朗文相が国会答弁で「無利子貸与制度が奨学金制度の根幹だ」とのべ、文部省が「無利子と有利子の割合は五対一を想定している」としていることを紹介し、「制度の根幹を政府みずから崩している」と批判しました。

 遠山敦子文科相は「無利子奨学金が根幹だと認識しているが、きびしい財政状況のもと、全体の需要の充実につとめた」と言い訳しました。

 林氏は、高等教育の無償化が世界の流れであることを示し、「無利子奨学金の削減をやめるには百二十三億円、授業料の値上げ中止は百三十七億円あればできる」と撤回を求めました。

 


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