日本共産党

2002年3月15日(金)「しんぶん赤旗」

小泉内閣の医療大改悪に反対
3つの改革で安心できる医療制度を

日本共産党が提案

志位委員長が発表


 日本共産党の志位和夫委員長は十四日、国会内で定例記者会見し、党の医療問題の提案「小泉内閣の医療大改悪に反対し、3つの改革で安心できる医療制度をめざす」【全文】を発表しました。小泉内閣が今国会に医療制度改悪法案を提出し、国民の医療に対する不安や批判、国民的運動が大きく広がっていることをふまえ、まとめたものです。


「提案」の柱

1、国民の命綱をたちきる空前の大改悪はただちに中止を
(改悪1)サラリーマン――3割負担と保険料値上げで健康と経済の悪化に追い打ち
(改悪2)高齢者――負担増と立て替え払いの二重の改悪で受診抑制をいっそうひどく
(改悪3)診療報酬の引き下げ――医療機関の経営を圧迫、入院患者の追い出しも
(改悪4)「抜本改革」の名で高齢者の負担を拡大、政管健保は見直しへ
2、窓口負担増による医療費抑制策は医療の大もとを破壊する
(1)国民的規模で健康悪化がすすむ
(2)サミット諸国中で異常に高い日本の窓口負担
3、3つの改革で安心できる医療制度をめざす
(1)削られた国庫負担の割合を元にもどす
(2)高い薬価を欧米並みに引き下げる
(3)窓口負担の軽減、保健師の増員などで、早期発見・早期治療の態勢を確立する


写真

記者会見する志位委員長=14日、国会内

 志位氏は、小泉内閣のもとで「すべての国民に被害と犠牲が及ぶ、空前の改悪がやられようとしている」と指摘。サラリーマン本人の三割負担と保険料値上げ、高齢者医療での一割定率制の徹底と立て替え払い、診療報酬引き下げによる医療機関の経営圧迫と入院患者の追い出しなど、その中身を具体的に告発し、「『三方一両損』というが、『国民一方損』というのが事柄の本質だ」と強調しました。

 これらにくわえ小泉内閣が「抜本改革」の名で新たな「高齢者医療制度」をつくり、すべてのお年寄りから医療保険料をとりたて、民営化も含めた政管健保の見直しをすすめようとしていると警告しました。

 志位氏は、医療機関の窓口負担を引き上げ、受診抑制するというのが政府の考え方だが、そのやり方は「早期発見、早期治療を妨げ、結局は病気の重症化を招き、医療費を膨らませ、医療保険も崩壊させてしまう」と誤りを厳しく批判。「欧州の主要国のなかで、こんなひどい政策をとっている国はない」として、窓口負担増による受診抑制は世界の実態にてらしても「邪道中の邪道だ」と指摘しました。

 そのうえで志位氏は、日本共産党の提案として(1)削られた国庫負担の割合を元にもどす(2)高すぎる薬価を欧米並みに引き下げる(3)窓口負担の軽減、保健師の増員などで、早期発見・早期治療の態勢を確立する――の「三つの改革」をあげました。

 志位氏は、「提案」を政府、各党に申し入れるとともに、地方自治体、労働団体、中小企業団体、医師会、薬剤師会、老人会、患者団体などに広く働きかけ、「日本列島をゆりうごかすような大きな対話と討論、国民的な運動によって、この大改悪を中止させ、三つの改革の実現をはかるために全力をあげたい」と決意を表明しました。

 


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