日本共産党

2002年3月10日(日)「しんぶん赤旗」

米軍の実弾演習 各地に広がったのはなぜ?


 〈問い〉 米軍の155ミリりゅう弾砲実弾演習が各地に広がったのは最近のことと聞きましたが、どんな経緯があったのですか。 (山口・一読者)

 〈答え〉 いま米海兵隊の155ミリりゅう弾砲実弾演習は、鈴木宗男衆院議員が地元自治体に受け入れを強要した北海道矢臼別をはじめ、宮城県王城寺原、山梨県北富士、静岡県東富士、大分県日出生台の各演習場で行われています。「沖縄の痛みを分かち合う」ことを名目に一九九七年に沖縄から移転されましたが、演習は質・量ともに強化されています。

 以前はこの演習は、沖縄のキャンプ・ハンセンで行われていました。重要な幹線道路の県道104号越しに行うため、県民生活への影響は大きく、演習廃止は長年の県民要求でした。

 在沖米軍・米基地に県土が分断され、平和であるべき市民生活が日常的に破壊されていることへの沖縄県民の怒りが、九〇年代、在沖米軍・米基地の縮小・撤去と日米地位協定見直しを求める県と県民の共同運動に発展しました。これに対し日米両政府が沖縄の痛みの軽減策として出してきたものの一つが、この演習移転です。

 移転にさいし、演習は沖縄と「同質・同量」という日米間の合意がありましたが、いまやほご同然です。砲撃数は移転前の規模を大きく超え、沖縄ではやらなかった夜間砲撃訓練や、沖縄ではできなかった長距離の砲撃訓練も行うなど、規模と内容ではるかに上回るものです。地元の抗議・中止要求に対し、政府は現状を追認しています。

 一方、沖縄の痛みも軽減されていません。ロケット砲や対戦車砲などの実弾演習は続き、住民の被害が後を絶ちません。

 このような実弾演習の拡散・強化を許すことは、「なぐりこみ部隊」である海兵隊の駐留固定化・強化につながります。

 日本共産党は、米軍基地・海兵隊の永久化や米軍の戦争に日本を動員する企てに反対し、住民の利益を擁護する立場から、米軍実弾演習の中止を求め、共同を進めています。 (清)

 〔2002・3・10(日)〕

 


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