日本共産党

2002年2月27日(水)「しんぶん赤旗」

「ムネオ」で終わらぬ外務省腐敗

機密費文書も外務省文書だった


 「ムネオ・ハウス」入札介入疑惑で、自民党の鈴木宗男議員の圧力にいいなりになっただけでなく、介入が露見しないよう入札参加資格で偽装工作まで行っていた――。こんな外務省の腐敗構造と隠ぺい体質は、いまに始まったものではありません。一年前、国会で大問題になった機密費問題はまさにその典型です。ムネオ・外務省疑惑は、機密費問題もふくめて徹底究明が必要です。

 外務省が「ムネオ・ハウス」の入札に関する内部文書の存在を認めたことで改めて注目されているのが、昨年三月十六日の参院予算委員会で日本共産党の緒方靖夫議員が示した文書です。この文書は外務省機密費がサミット外遊への「せんべつ」や情報収集名目の飲食に流用されていたことを示しています。

 当時、河野洋平外相は「調べるには調べるだけの根拠がいる」として調査を拒否していました。しかし、「ムネオ・ハウス」にかんする外務省の内部文書と同じ「秘 無期限」の押印があったことで、外務省の内部文書であることがはっきりしました。

 「サミット一行リスト(案)」と題する文書は、一九八九年のアルシュ・サミットの際に外務省経済局サミット準備室が作成した随行員の名簿に、当時の塩川正十郎官房長官(現財務相)の秘書官が「せんべつ」の金額をメモしたものです。リストの氏名の横に「30」=秘書官クラス三十万円、「40」=局長クラス四十万円などの「せんべつ」の額が書き込まれ、総額は「2000」(万円)と記されています。準備室長は機密費流用事件で公判中の松尾克俊・外務省元要人外国訪問支援室長でした。

 塩川氏は昨年一月のテレビ番組で「総理の外遊費は官邸の報償費ではないから、外務省の枠内から持ってこいと指示した」と証言しています。この資料は、外務省の機密費が官邸に「上納」され、首相外遊の際に支出されたという疑惑を裏付けるものです。

 外務省の機密費が「情報収集」を名目に、飲み食いに使われていたことを示すのが、二〇〇〇年三月三十日付の「情報収集活動用設宴限度額等について」と題する官房長名の文書です。

 設宴・会食を決裁する「設宴・会食承認要求及び支出依頼書」には「外務本省」「報償費」の項目があり、外務省機密費からの支出であることを示しています。

 小泉内閣は機密費問題についてまともな調査もせず、「使途は申し上げられない」(福田康夫官房長官)の一点ばり。当事者だった塩川財務相も「忘れた」などと無責任な態度に終始しましたが、もはや「知らぬ存ぜぬ」は通用しません。

「上納」裏付ける記述 内閣官房文書

 外務省の機密費が内閣官房に「上納」されている疑惑では、昨年二月に日本共産党の志位和夫委員長が、内閣官房文書を暴露。一九八九年五月の作成で、ここには、「官房長官が取り扱う報償費は、予算上、内閣官房と外務省に計上されており、形式的には外務省計上分を内閣官房に交付する形をとっている」と、機密費「上納」を明確に裏付ける内容が記載されています。

 会計検査院の報告では「内閣官房の予算執行事務の一部が外務省に委ねられている」「(内閣官房と外務省)それぞれが所管する予算を自らの責任において執行する体制となっていない」と、事実上、両機密費の一体ぶりを示しています。

 田中真紀子前外相は、二十日の衆院予算委員会での参考人質疑で「上納」疑惑について「歴代閣僚がなかったと繰り返しているので、今もないと申し上げるしかない」とのべつつ、会計検査院の報告を示し、「それぞれが理解するしかない」とのべました。


巨額計上つづける機密費予算

 小泉内閣は、来年度予算案で機密費減額を宣伝しています。しかし、実態は、削減分をさまざまな費目に振り分けたうえ、巨額の機密費を温存しています。

 官房機密費は、来年度予算案で一割カットされたといっても、計上額は十四億六千万円。外交機密費も、四割削減されたといいながら、外務本省、在外公館あわせて三十三億四千万円が計上されています。

 四割カットの外交機密費では、そのうち25%は、旅費など他の費目に移しかえられています。

 ところが、機密費、諸謝金、旅費、庁費、交際費など、関連経費でみると、総額で一千十億千四百三十五万円と、前年度比0・9%の増額となっており、結局、「焼け太り」ではないかとさえ指摘されています。

 このうち、諸謝金は、田中真紀子元外相が「伏魔殿の一端」と指摘した不明朗なもの。来年度予算案でも前年比0・5%増の百四十四億二千七十五万円と巨額が計上されています。

 


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