日本共産党

2002年1月26日(土)「しんぶん赤旗」

ハンセン病賠償訴訟

非入所者にも同様の謝罪

基本合意書協議 国と原告側が決着


 熊本地裁のハンセン病国家賠償訴訟のうち、未解決となっている療養所に入所歴のない元患者や入所者遺族原告の弁護団が二十五日、国側と協議を行い、両者が取り交わす「基本合意書」に非入所者の元患者についても入所者と同様に、国の法的責任を認めて謝罪する文言を盛り込むことで決着しました。

 坂口力厚生労働相と原告、弁護団は二十八日午前十時から、東京・霞が関の厚労省内で、基本合意書に調印。三十日には熊本地裁で開かれる協議で和解が成立します。合意書は原告だけでなく、すべての非入所者や元患者の遺族も対象としており、今回の協議決着で、一連のハンセン病問題は全面解決へ向けて大きく前進する見通しとなりました。

 基本合意書では、非入所者について、国がハンセン病の政策を是正しなかったことで、「主として入所者に限られていた療養所での治療の機会を失った」と言及。その上で、国が入所者と同じく非入所者の元患者に対しても差別、偏見を助長させたことを認め、謝罪する内容となっています。

 このほか、国側が協議の中で元患者の遺族に対し、各地の療養所に安置された遺骨の引き取りと埋葬を求めていた点について「元患者の名誉回復にとって重要」とし、遺族が引き取りを強制されることのないよう配慮した文書となりました。

 


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