2002年1月5日(土)「しんぶん赤旗」
小泉純一郎首相は四日、三重・伊勢市の伊勢神宮を参拝しました。扇千景国土交通相、平沼赳夫経済産業相、武部勤農水相、中谷元・防衛庁長官ら六閣僚が同行しました。
首相の伊勢神宮参拝は、一九五五年に鳩山一郎首相が最初に行い、六七年の佐藤栄作首相の参拝以降、「慣例」化しています。しかし、公人である首相の伊勢神宮参拝は、憲法が定める国民主権、信教の自由、政教分離などの民主的原則に照らして、重大な問題があります。一般市民が行う“初もうで”とは、明確に異なります。
伊勢神宮は「天照大神」を祭神とし、戦前・戦中、天皇絶対政治のもと、侵略戦争遂行の精神的支柱となった国家神道の頂点に位置付けられました。天皇絶対主義に固く結びつけられていたのです。
この伊勢神宮を現職の首相が参拝することは、日本の政治が「皇祖」=「天照大神」に由来するという立場に、内閣の責任者自らが立つことになり、憲法が規定する国民主権の原則に真っ向から反するものです。
また、伊勢神宮という特定宗教団体を特別視して参拝することは、民主主義の基本である信教の自由、政教分離の原則と両立しません。
憲法が厳格な信教の自由と政教分離原則を定めたのは、国家神道が国民の思想統制の柱とされたことへの反省に基礎を置くものだったことを踏まえれば、首相の伊勢神宮参拝を、年頭の「恒例行事」だといってすますわけにはいきません。
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